007 ジャポニズム再考

平安から室町にかけて(遣唐使は途中廃止されましたが)唐風から禅へ、そこに洋風を取り入れた織田信長がファッションと武力を取り入れて婆娑羅へ、その後鎖国して、権力者はハラキリと朱子学に没頭して道徳を作って、庶民の信望を集める。そこでは庶民の経済力の高まりとともに文化を謳歌して(奢侈禁止令とか何回も出されてはいますが)、その感性がヨーロッパに影響を与える。浮世絵とか工藝とか。それまでのヨーロッパの絵画なんかはレンブラントみたいな光重視の写実主義。浮世絵とかに触れて「こんなことしてもいいんだー!」って感じだったと思いますよ(印象派は特にそうですね。そこからヨーロッパの芸術は発展したんだと思います)。 なんとなく暗黙のルールみたいなものが芸術にもあって。 それはそうですよね、芸術のパトロンはヨーロッパでは元々王族・貴族系の流れのままで(フランス革命後、芸術・文化に政府が補助金を出す制度が確立されたそうです)、日本では江戸時代は一般の町人が担っていたんですから。その自由度が違います。だから西洋の自由を求める芸術家は日本の浮世絵を見て「それもアートだ!」と言い張った気がします。技術を簡素化して大衆アートを築いたアンディ・ウォーホールはその最終形でしょうか。

で、今の日本や世界の状況を鑑みると、もう「過去の踏襲」とか「他からの新しい刺激」というようなものは出尽くしてしまっていて、そういう意味では自国の感性を見つめ直して新たに現代を創造していくことは有意義なことかなと思うんですよね~