009 文力というソフトパワー

「力」って色々な意味で他に影響力を及ぼしますよね。最終的な問題解決手段という面からみても代表的なものは権力・金力・武力の3つですかね。中世後半のメディチ家などの名家は非常に文化的な生活(余談ですが、フォークの使用は最初に食卓に取り入れたイタリアでさえ16世紀以降に一般化。それまでは一般的にはまだナイフと手掴みで食事していたみたいですね。ルイ14世は生涯手掴みだそうで。因みに日本は8世紀頃に箸が一般化したみたいですね)を見せつけるために政治家や軍人を屋敷に招き、政治的懐柔を行っていたようです。千利休もそのように政治を庵に取り入れたみたいです。要は、 招かれた者は「なんて文化的な生活!」という感嘆とともに、その思想や美しさや格式?的なものに畏敬するというか憧れるというか。その亭主はそんな感じを上手く外交に利用したんだと思います(戦後の日本の「三種の神器(家電や車)」なんてものもアメリカに対してこれに近かったのではないでしょうか?これは文化的というより文明の利器ですが…)。でも、文化的な力はその手法が他の力よりマイルドな分、他国の人は受け入れ易いものだと思います。文力って要はその国の人々の価値観や道徳観が生活様式や社会に現れたものであって(韓国はK-Popを国をあげて押しているようですが、これはかなり広い意味での文力なのでしょうね…AKBっていうのもそうか…)、それを見た他人が「なんて文化的生活を営んでいて、高い文明社会なんだ!」と評価してくれるものなのでしょう(道徳的なことでは、東日本大震災の時の被災者の冷静な行動は世界的に良い評価を受けました。イタリアの友人はイタリアだったら食を求めて暴動が起こると言っていました)。日本は金力で世界的評価を受けてきたように思いますが、 武力での解決を否定している以上(権力としては日本は国連常任理事国ではないし)、ここらで文力というものを改めて強固に推し進めてみてはと思います。但し、文力には美しさと楽しさが必要だと思います。権力には信用と強制力、武力には勇敢さと戦略、金力には資産や利益が伴うように。ITやエコ技術などの最先端のスマート技術やその文明の利器を最大限活用し、高い道徳心と風土に適った文化的な生活を営んでいる国民とその社会になる。そうなると海外からの評価も高まり、Made in Japanはより良いブランドになるかなぁ~とほのかな期待を寄せつつ…