001 アシンメトリーと情緒・理性・感性

世界のデザインをざぁーっと見てみると、シンメトリー(左右対称)のデザインが多いですね。何でなのかと考えてみるとやはり安定を求める思考が人間には強いのかな~と思ったりして。それとヨーロッパなんかの木々を見てると日本のような荒々しさをあまり感じないんですよね~なんか人工的な感じさえする。1000年以上前はヨーロッパも森で覆われていたらしいけどバンバン伐採してしまったみたいですからね。まぁーデザインっていうことでは一番分かり易いのはピラミッドだと思いますが。これって何かなと思うと人間中心的な思想が考え方の根底にあるんじゃないかなと思ったりします。人が求める理想的安定の象徴がデザイン化されていくというか。

アシンメトリーのデザインというとアフリカやインドネシアなんかには見られますね。確かにプリミティブ・アートと言われるような領域のように見えます。でも、そこには自然があり、生き活きとした色や躍動感を感じます。自然中心的な世界観があるのかな~となにか親近感を感じます。そんな中で日本の美を見ますと自然が見事にデフォルメされていながら自然なアシンメトリー感が残り、でもなんとなく纏まったデザインの中に納まっている。間が上手くあって、それも自然。情緒と理性というものがあるとすればそれを融合した感性というものが日本には強くあるな~と感じます。ついでながら、アシンメトリーなデザインは他のモチーフがないとデザインとして成り立ちませんね。そこにまた、示唆的なものがあって…